恵み

「愛」という言葉の重みを これほどまでに深く感じたことはありません。

どんなに心を込めて“愛しています”と私が言葉にしたとしても、この本を読むと ただの薄っぺらのほかなりません。

日本に生を享けたという大きな恵みと、大海のような広い心でかばい
愛してくれた二人の女性と出逢った恵みに対する著者の思い…

蜂谷彌三郎(はちや やさぶろう)著

『望郷 ~二つの国 二つの愛に生きて 』
致知出版社

こちらをむさぼるように読みました。

ご存知の方も多いと思いますが、この方は 敗戦の翌年に身に覚えのないスパイ容疑で連行され、7年間シベリアでの強制労働収容所での生活を強いられました。

刑期を終えた後も帰国は許されず、厳しい監視のもとで理髪師や美容師などの仕事をしながら生活。

現地でロシア人のクラウディア・レオニードブナさんと結婚。

ソ連崩壊後の平成8年に日本の家族の無事が判明し、翌年帰国されました。

愛するがゆえに待ち続ける女性と、愛するがゆえに別れを選ぶ女性…

この二人の深い愛に、心が震えました。

そして、この二人の女性の存在が蜂谷さんの生きる糧になっていたのです。

平成15年春、著者同じくして一冊の本が出版されたそうですが、御本人が書いたものではないと自ら発売中止をお願いされたとのこと。そして、是非自分の体験は自分の手で書き残しておきたいと、まとめられて世に出たものが、こちらの本なのです。

本当の愛とは…

万感胸に迫ります。

私が何を語ろうと、薄っぺらな表現にしかなりませんので、是非お読み頂きたいと切に願います。

この日本に生を受け、毎日動ける健やかな身体を与えていただき、愛する人に想いを伝えられるこの環境…

私は、この恵みに感謝しています。

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コメント3件

  • 佐藤豊和 より:

    初めまして、私もこの本を愛読しております。本当に感動しました。蜂谷さんは、昨年、クラウディアさんも一昨年、亡くなられました。天国で仲良く過ごされていることを祈っております。お二人から、生きることについて、たくさん、教えていただきました。多くの人にお二人のことを知って頂きたいと思っており、紹介していただき、ありがとうございます。

  • ゆうま より:

    佐藤豊和さま

    初めまして。

    この度は、コメントをお寄せくださいまして誠にありがとうございます。

    半世紀以上の過酷な体験を語られた 蜂谷さんの言葉一つ一つに感銘を受けます。

    仰るとおり、生きるということを教えていただきます。

    ご縁あって拝読できた今、この感動…!

    これも時機なのだと感じております。

  • さとう より:

    ゆうまさま

    お返事ありがとうございます。返事を期待してなっかたので、気が付くのが遅れました。恐縮しております。動画をアップしておりますが、これは2005年3月ロシアの国営テレビが、作成した番組です。蜂谷さんが帰国後、クラウディアさんとの交流を紹介した番組です。ロシア語なので、意味はわかりませんが、互いを思いやる気持ちが伝わってきました。

    私は、横浜に暮らしておりますが、関内駅近くに「放送ライブラリー」という施設があり、そこで、日本のドキュメント番組「クラウディアからの手紙」「クラウディアの祈り」を観ることができます。もし、ご覧になっていなければ、お勧めいたします。

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